解決事例
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現役暴力団員が不正に融資を受けたとして
詐欺罪により逮捕、勾留された事件
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相談前
依頼者は、以前暴力団に属していたことがあるが、
本件融資を受けたときにはもう脱退していたが警察は現在も暴力団だと把握していた。
当初担当だった国選弁護人の見解では、実刑の可能性もがとても高いと言われ、
別の弁護士にも相談したが同意見だった。
その後、当職を知った依頼者の妻が当職の元に相談にこられた。
すでに勾留延長になったところであったが、当職が私選弁護人となりました。
相談後
不起訴処分となりました。
依頼者が現役暴力団員でなかったことを証明することが最重要課題であったので、
かつて所属してた暴力団の会長に連絡を取り合い事実関係を確認したところ、
当時、依頼者はすでに脱退していた状態という事を証明する証拠を入手した。
この証拠とその他の事実関係を検察官に上申し、不起訴処分で無事に保釈されました。
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当時79歳の男性(Aさん)が、知人(Bさん)の顔面を手拳で殴打して傷害を負わせたとして起訴され、無罪判決を得た冤罪事件(無罪確定)。
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事実の概要
AさんとBさんは、かつて民事上の争いにより、Aさんが勝訴したという経緯があった。それ以後、Aさんは誰かからの嫌がらせと思われる行為を受けるようになった。ある日、Aさんに対する嫌がらせと思われる行為があったところ、たまたまBさんを見かけたので、誰の仕業か知らないかと尋ねたところ、Bさんは「わしがやったと言うんか」と言ってAさんの肩付近を押そうとして手を伸ばしてきたのでAさんはこれを振り払ったが、これ以上応戦してAさんがBさんの顔面を手拳で殴打するような行為はしなかった。その後、Aさんはその場から立ち去ったが、しばらくした後、Bさんは何らかの事情で顔面に怪我を負った。Bさんは、Aさんから手拳で殴られて怪我を負わされたとして警察に届けた。
捜査と公判
Aさんを取調べた刑事は、Aさんの言い分を全く聞き入れないどころか、明らかに黙秘権を侵害する違法な取調べを行って自白を強要し、Aさんをかなり侮辱したが、Aさんはこれに屈することはなかった。しかし警察は、証拠を精査することなく否認事件として検察庁に事件送致した。事件送致を受けた検察官も、Aさんの言い分に全く耳を傾けようとせず、かつ、証拠を精査しないまま否認事件としてAさんを起訴した。
その後、検察官から証拠が開示されたので、当職が、Bさんの怪我の状況を確認したところ、これまで検事時代に多数の傷害事件を扱った経験から、Bさんの怪我が手拳で殴られたものではないことがすぐ分かった。
またこのような場合、その立証のためには、法医学の権威の医師に、Bさんの怪我の鑑定を依頼する必要があることが分かっていたので、これを実行したところ、やはり同医師の鑑定においても、Bさんの怪我が手拳による殴打によって生じたものでないことが確認されたことから、本件が冤罪事件であることを確信した。
裁判では、上記鑑定をしていただいた法医学の権威の医師の証言が大きな決め手となった上、Bさんに対する尋問で、Aさんから殴られたということが不自然、不合理と認められるような証言を引き出すことに成功したことから、無事に冤罪が証明でき、無罪を勝ち取ることができた。
弁護士からのコメント
本件では、証拠の精査に基づき、法医学の権威ある医師の鑑定と証言を得ることにより冤罪の証明つまり無罪を勝ち取ることができたが、このような結果を得るためには、やはり豊富な捜査経験とその過程で法医学者との交流を持っている必要がある。当職は、検察官経験が長かったことから、証拠の見方、事案処理の方法が適切にできたことや、検事時代に法医学者との交流があったことから、的確な弁護活動ができ、依頼者にとって最良の結果(冤罪の立証による無罪獲得)を得ることができた。
取り扱い専門分野